「タコライス」は、メキシコ料理の「タコス」を、ご飯と一緒に食べるという、まったく新しい味として、沖縄で誕生しました。
タコスは、スパイシーに味付けしたひき肉、野菜、チーズ、サルサソースなどを「トルティーヤ」と呼ばれるトウモロコシを原料としたシェル(皮)にくるんだり、はさんだりして食べる、伝統的なメキシコ料理です。
メキシコ料理をアメリカ人好みに食べやすくした「Tex-Mex料理」は、アメリカのテキサス州やカリフォルニアなどで非常に人気がありました。
その「Tex-Mex料理」のひとつであるタコスが、米軍統治下時代の沖縄に持ち込まれ、米軍基地周辺のレストランを中心に、次々とメニューに加えられていきました。
そして、タコスを扱う店の多い金武町で、ついに「タコライス」が誕生しました!
タコスの皮の代わりとして、あったかいご飯の上にタコスミートやチーズなどの具材をのせた「タコライス」がメニューに登場したのです。
沖縄のチャンプル~文化を象徴するような新しい味に、アメリカ人の間ですぐに人気が高まり、瞬く間に「うちな~んちゅ」の心も虜にしてしまいました。
現在では、レストランやパーラー、お弁当屋さんからスーパー、コンビニ、果ては学校給食など、沖縄じゅうで人気のメニューになり、家庭でも手軽に食べられるよう、オキハムのレトルトパック「タコライス」も1993年より販売されています。
金武町で、いかにして「タコライス」が生まれたのかを探っていくと、
3つの有力な説にたどり着きます。
若い軍人は、手軽に食べる軽食のタコスでは山ほど食べないとお腹いっぱいにはならない。それなら、思い切って「ごはん」の上にタコスミートとチーズなどをのせてみてはどうだろう?と、冗談半分で話したことがキッカケになり、「タコライス」が誕生した...という説があるんだって。
「タコス」は皮を作ったり、具材を入れるのに、どうしても手間や時間がかかってしまう。忙しい軍人相手に、手早くできて、ボリュームがあって、なおかつ安上がりなメニューはないものか...と考えて、主に調理のスピードアップとコストダウンを狙って出来た...という説もある。
「タコス」を販売していた従業員の「まかない食」として誕生したらしいよ。最初はお店に出す予定はなかったんだけど、従業員の間であまりにも好評だったから、メニューに加えられて、その後定番になった...っていう説もあるよ。
金武町にはタコス・タコライスのお店がたくさんあるよ。ぜひ、元祖タコライスの味とボリュームを確かめてね。